「なぁ林檎?」
「ん?何?」
「まだ、気分悪い…抱かせて?」
これもいつもの事。
もう日常化しとる。
「ええけど、ちゃんと避妊してな?」
気分が悪かったり、
黒い俺が収まらなかったりすると、
決まって俺は林檎を抱いて収める。
それは林檎も承諾済みや。
「うぃっす。」
俺は林檎を押し倒した。
今日も始まる。
俺のためだけの、愛のない行為…。
俺を助けようと、理解しようと
林檎は必死で俺を受け入れる。
そんな林檎を見る度、
俺の胸は激しく締め付けられる。
そんな俺が初めて林檎を抱いたのは中1の春やった…。

