「・・・いらっしゃい、星愛ちゃん。」

「・・・こんにちは、おばあちゃん。」


家族を失った私は・・・おばあちゃんの家に来た。
おばあちゃんは、パパとママの事で、何も聞いてこない。


「ゆっくりしていってね。」

「ありがと、おばあちゃん。」

「夕飯、何がいい?」

「・・・シチュー。」

「分かった。」


・・・ママの手料理・・・。
11年前から、ずっと食べてない。
パパがまだ、一緒の時は、一緒に食事して、ママの手料理を食べていた。

・・・でも、パパがいなくなってからは、コンビニへ行って、適当にご飯を買って食べる生活だった・・・。




・・・思い出すと、また悲しくなっちゃうよ。


「ごめんなさい、星愛ちゃん。野菜が全然ないわ。」

「あっ、買ってくるよ。」

「本当?ありがとう。」


私は、買い物袋を持って、家を出た。