私は、グラスを二つ用意した。

・・・紅茶でいいかな・・・?



キッチンで、用意をしていると・・・。

「・・・なあ、星愛。」

「・・・え?何?」

「・・・親は?」

「・・・。」



・・・パパ・・・。ママ・・・。


「・・・いないよ・・・。」

「・・・え?」


・・・思い出すだけでも、苦しくて、悲しくなる。

「パパは・・・私が5歳の時・・・。
 11年前に、ママと離婚して、出て行ったの。」

「・・・。」

「ママは、離婚した日から・・・おかしくなったの。
 毎日、家に知らない男性を連れて来るの。
 ・・・それで・・・昨日、ママは出て行ったの。
 ・・・もぉ・・・帰って来ないのっ・・・。」

「・・・。」



ヤバい・・・泣きそうっ・・・。

品川さんの前で・・・泣きたくないっ・・・。





ピーーーーーーッ





その時、ヤカンの湯がわいた。