みんな変わっちゃうんだ。


家族も。


友達も。


みんなみんな。


必要じゃなくなったら、容赦なく捨てられる。


そんなの耐えられない。


大好きな人に捨てられるなんて……。


「アイ。」


優しい笑顔で私の名前を呼んだのは、サラ。


私はハッとして、我に返った。


「サラ。私、この世界でも必要とされていないのかな。ここに来たところで、私の居場所は存在してないんじゃないのかな。」


自分の体が少し震えているのがわかった。


サラは、私の両手を優しくすくい上げた。


「どの世界でも、必要とされない人なんていない。」


サラは真剣なまなざしを私に向けた。


「でも、私……いらない子だもん。」


そして私はまた、下を向く。


「そんなこと言わないで……。アイは、どうして死にたいなんて思ったの?何があって、ここに来てしまうくらい強い思いを持ってしまったの?」


サラは私の両手を握ったままだ。


 サラの手……あったかい。


「みんなにとって、私は邪魔な存在なの。」


私は自然に話し出していた。


どこか心の奥で、聞いてほしかったんだと思う。


そうだ。


誰かに、聞いてほしかった。