「ここは天国ではないわ。」
後ろから、一瞬にして癒されるような綺麗な声が聞こえた。
バッと後ろを振り返ると、そこにはスラッとしていて小顔、そして瞳が大きくてお人形さんのような女の子が歩いてきていた。
すとん、と私の隣に座る女の子。
私と同じくらいの年の子だ。
その女の子がこちらを向くと、その子のウェーブした薄茶色の長い髪が揺れる。
「えっ。」
私はその女の子の背中を見て驚いた。
だって、羽が生えていたから。
周りは水色がかかっていて、他は薄いピンク色をした彼女に優しくついている妖精のような羽。
いや、妖精なのかもしれない。
「ふふ、この羽でしょう?そう、私は妖精よ。」
羽をなでながら、彼女はそう言う。
ほ、本当に……妖精……。
「綺麗……。」
私は、無意識にそう言葉にしていた。
妖精の彼女は、優しく微笑みながら私を見ていた。
「あ、ご、ごめんなさい……。」
思わず謝ってしまった。
「どうして謝るの?すごく嬉しいわ。」
本当に綺麗……。
私は彼女の綺麗な声にも癒されていた。

