「どうして、私の名前を知っているの……?」


「ナギ、みんなの心が読めちゃうんだ!」


ナギの言葉に私はまた驚いてしまう。


「え、ほ、本当に?」


「うん!でも勝手に気持ちが頭に流れ込んでくるわけじゃないよ!ナギが読みたい時に気持ちを読むことができるんだ!」


「すごい……。」


だから、さっきも私の気持ちとかわかったのか。


「そうなの?ナギが生まれた時から心が読めちゃうから、すごいとかそんなのわかんない!ここにはいろんな妖精がいるんだよ!「心が読める妖精」、「魔法が使える妖精」、「変身できる妖精」いろいろだよ!」


 そ、そんなにいろんな妖精がいるんだ……。


「こ、この世界は、妖精がいっぱいなんだね……。」


本当に違う世界なんだって、少しずつ実感させられる。


「話すの緊張してる~!緊張しなくていいのに!」


ナギはまた私の気持ちを読んでしまう。


私は人とあまり話さなくなってから、どう接したらいいのかわからなくなってしまっていた。


「あ……。」


すぐにうつむいてしまう私。


「……。」


ナギは何も言わないで、ちょこんと私の膝の上で立ちすくしたままだった。


空気がしんとした中、声が響いた。


「アイ!」


サラだ。