「あー!人間だぁー!」
びくっ。
一人でサラに教えてもらったお花畑でボーっとしていると、ぴょこっと花の茎から小さな妖精が顔を出した。
コビトとも言える。
大きさは10cmくらい。
背中には羽が生えていた。
急な展開に私は驚いて、硬直してしまっていた。
「悪いひと?」
花の茎に半分身体を隠しながら聞いてくるコビト。
「え、あ……そんなんじゃ……。」
すごくびっくりしちゃったけどよく見ると……かわいい。
ぴょこっとまた顔を出すと、コビトは身を隠すのをやめて三角座りをしていた私の足に登ってきた。
そして私の膝へと到着すると、コビトは言った。
「今、ナギのこと「かわいい」って思ったでしょ!」
え、なんでわかったんだろ?
それに……。
「な、なぎ?」
「うん!ナギ!名前だよ!」
「あっ、あなたの名前なんだねっ。」
「そうだよ!「ナギ」って読んでね!ナギも「アイ」って呼ぶ!」
ナギと名乗ったそのコビトは、なぜだか私の名前を知っていた。