ついに来た。
あこがれの場所 …



私、森宮 優香 。

この春から私は高校生になる!





どこの高校かって?



それはこの辺じゃすごく有名な



天王寺学園




倍率もすごく高いし、
小さい頃から
すごく憧れの場所だった。





ここに立つまですごくすごく
勉強も運動も頑張った。
全部全部一番になった。






だから
いまここに立ってる自分から
頑張った自分にお疲れ様。





これからも頑張るね。

楽しむね。





そうこころに誓って学園の

門をくぐる。






「優香〜!優香!」

そう叫びながら近寄ってくるのは



わたしの親友。
わたしの良き理解者。



田辺 真白 (たなべましろ)


真白とは幼稚園〜ずっと一緒。





唯一わたしの闇を知ってる心強い


味方なんだ。





そんなことを思ってると
入学式案内のアナウンスが流れた。




「真白!大変だよ!早く!急ご!」



「わかってるよ〜」



ダッシュで会場へ…







体育館につくと、

ざわざわとある人の周りが
うるさかった。





「真白〜なにかあったのかな?」





「え!?優香知らないの?あの人」



「ん?わかんない。だーれ?」





「はあ。あんたはほんとに無関心なのね。あの人はね…」






真白が話し出した。




どうやら




あの人は



天宮 裕人 (あまみやひろと)
といって、この学園を支配してるらしい。
彼の親が経営する会社で



生徒ももちろん、先生までも
彼には口出しできない。




そんな存在だけど



彼はとっても甘い顔で笑うのだった。




顔は笑ってるけど目は笑ってない。
私とおんなじだ。








そんなこと思ってると
いつのまにか入学式が終わっていた。