「…なら、なんで泣いたんだ」


ごもっともだと思う。


「だって、大声を出した友達に何かあったのかって心配してたんだけど、何もなくて安心したの!それで涙が…ね?」


苦し紛れの嘘。


「ならいい。何かあったら言え」


「友達、何もなくてよかったな!」


こんなことを言ってくれた二人だけど、きっと頭がいいから、私の嘘を見抜いてる。


気づかないフリをしてくれているだけ。


二人とも、どんだけ良い人何だろう。


ゴメンね…?


私は、あなた達を利用している。


本当は、気づき始めているの。


この気持ちにも。


そして……



自分の正体にも。


だけど、今は気づかぬ”フリ”。