「ん…」


太陽の光で目を覚ます、いつもと変わらない朝。


少し違うのは、私の部屋じゃないってこと。


「どこ?」


私は、そうつぶやいたつもりだった。


しかし、久しぶりに出したであろう声は、かすれていた。


私は眼鏡をかけて周りを見渡す。


一言で言って、この部屋は真っ白。


そして、鼻に少しツンとくる薬品のにおい。


きっとここは、病院だ。


…そっか。


そのまま、気を失っちゃったんだ。


そんなとき、ドアが誰かによってノックされた。


ノックに対して私は、


「はい」


と、無理矢理声を出して応えた。