「ケンちゃん。あの日ね、ユウが殺される時、タク…その場に居たんだって」


止めろ。


「自分の弟が殺されるところを、笑って見てたんだよ?」


止めろ。


「私がそこに着いたときにさぁ、タクなんて言ったと思う?」


止めろ…。


「『邪魔者が消えてせいぜいするよ。これでようやくサキはオレの物だ』だってさ」


「止めろっ!!」


俺はサキに向かって怒鳴った。


俺は焦っていたんだ。


しかし、そんな俺とは裏腹に、サキは余裕たっぷりな顔をしている。


「なんで?事実を語っているだけじゃない」


うぜぇなぁ。


サキ。


後悔しても遅いぜ?


この俺を怒らしたんだからなぁ。


ただじゃおかねぇぞ。


「サキ…。死ねよ」


俺はそれだけを言い、“ある物”を彼女に向けた。