サキ…。


お前はそこにいたのか。


安心しろ。


俺が鬼龍をぶっ潰してやるからな。


そうしたら…、もっとお前が恐怖に、絶望にゆがむ顔を見せてくれよ?


クルリと身体を反転させ、サキの方を見る。


「いい子に待ってろよ?」


そう言って、俺はマンションを出た。


浮かれていた俺は気がつかなかった。


アイツの記憶が戻れば大変なことになることに。


俺は大失態を犯したんだ。