結局、家に帰る事になってしまった。
僕は、フユキの話をもっと聞いていたかったのに、フユキったらそそくさと帰ってしまうんだもん。

「ポート!」

「あ、ベル遅いよ。」

「なに、言ってるのよ!
先生から言われなかったの!? 早めに帰りなさいって。
あたしを置いていっても構わなかったのに。」

ベルったら、いつも僕を心配する。
僕はもう、子供じゃないのに。

「いいわ、走って帰るわよ。」

ベルは、病気が怖いんだ。
だから、僕を護ろうと努力をする。
でも、ベルは分かっているのかな?
ベルに守ってもらうのが、どれだけ迷惑なのか。

「ベルが一人じゃ怖がると思って待ってたのに。」

「もぅ、しょうがないわね。」

走りながら、ベルは僕に言った。

ベルは姉と言うより、近所の世話焼きのおばさんみたいな感じ。
だから、過保護なんだと思うんだけど。