「じゃあ、授業終わったら校門前で待っててよ?」
「おっけー、またあとでねベル。」
ベルは首を一回縦に降ると、高校生の方の校舎へ入っていった。
僕も、小学校の校舎へと入った。
「ポート! おはよう!」
「やぁ、ミリー。」
教室に入ってきた僕に話しかけてきたのは、ミリーだ。
ピンク色のワンピースと、赤毛の髪を三つ網にしている。
ちょっと、強気な僕の幼馴染みの女の子。
「ねぇ、ポート。
知ってる知ってる?」
「何?」
ミリーは、少し心配そうな顔をして僕に聞いてきた。
ミリーがこんな顔をするなんて始めてだ。
何かあったのだろうか?
「最近、都市部の方でヘンな病気が流行ってるんだって。」
病気?
それは初耳だ。
僕とミリーの会話に、教室のみんなも口を揃えて“その話を知っている”と言う。
どうやら、ここで知らないのは僕だけらしい。
やっぱり、昨日のラジオを聞かなかったのが問題だったのか。
「このシハラにその病気が来るのも、なきにしもあらずだよね。」
僕とミリーの前に躍り出たのは、ガリ勉のフユキだ。
黒髪、眼鏡を持ち上げながら知的に話す様は、僕も少し憧れていた。
フユキは、ニホンから来た留学生だ。
ニホンの文化を沢山教えてくれる、僕のベストフレンド。
「なきにしもあらずって、どういう事?」
「ボクが昨日ラジオで聞いた話だと、その病気は感染力が非常に高く、また打開策も見付かっていない。
都市部とこのシハラとは、境界線がある訳でも無いし、向こうの政府は対策を練ってもいないみたいだから、結構危険かもね。」
フユキは淡々と話す。
フユキの言葉に着いていけなかった人も、危険、と聞いたとき息を飲んでいた。
「なんとか感染を防ぐ事は出来ないの?」
クラスの一人がフユキに聞いた。
それは、クラス全員の疑問でもあった。
「うーん、まずはこの街に外部からの人間を入れないことだね。
あとは、みんなも必要以上の外出は避けるとか。」
「でも、それだけじゃ対策にはならないわ。」
「方法はないんだ。
仕方ないじゃないか。」
ミリーは、消極的な考えのフユキに怒っている。
僕も、ミリーの言い分は分かる。
けど、フユキの言っている事も一理あった。
「こら、席に着きなさい!」
そんな話をしていると、先生が入ってきた。
もう、授業開始なのか。
「良いですか、良く聞いてください。」
席に着いた皆の顔を、先生はじっくりと見ていく。
先生の口には、なにか重いものでも着いているのか。
そんな言いにくさを取り払って、先生は口を開いた。
「昨日のラジオでも合ったように、都市部では今、謎の感染症が流行っています。
そして、
その感染症は、今この街シハラにも向かっています。
今すぐに、帰宅してください。
そうしなければ、皆さんも感染して死んでしまいます。
良いですね?」
いつも、優しくのんびりとした口調だったはずの先生が、急に怖い事を言い出した。
病気の話を聞いたあと、教室全体を見回すと。
みんな、目に涙を浮かべて。
病気の恐怖に怖じ気づいていた。
「おっけー、またあとでねベル。」
ベルは首を一回縦に降ると、高校生の方の校舎へ入っていった。
僕も、小学校の校舎へと入った。
「ポート! おはよう!」
「やぁ、ミリー。」
教室に入ってきた僕に話しかけてきたのは、ミリーだ。
ピンク色のワンピースと、赤毛の髪を三つ網にしている。
ちょっと、強気な僕の幼馴染みの女の子。
「ねぇ、ポート。
知ってる知ってる?」
「何?」
ミリーは、少し心配そうな顔をして僕に聞いてきた。
ミリーがこんな顔をするなんて始めてだ。
何かあったのだろうか?
「最近、都市部の方でヘンな病気が流行ってるんだって。」
病気?
それは初耳だ。
僕とミリーの会話に、教室のみんなも口を揃えて“その話を知っている”と言う。
どうやら、ここで知らないのは僕だけらしい。
やっぱり、昨日のラジオを聞かなかったのが問題だったのか。
「このシハラにその病気が来るのも、なきにしもあらずだよね。」
僕とミリーの前に躍り出たのは、ガリ勉のフユキだ。
黒髪、眼鏡を持ち上げながら知的に話す様は、僕も少し憧れていた。
フユキは、ニホンから来た留学生だ。
ニホンの文化を沢山教えてくれる、僕のベストフレンド。
「なきにしもあらずって、どういう事?」
「ボクが昨日ラジオで聞いた話だと、その病気は感染力が非常に高く、また打開策も見付かっていない。
都市部とこのシハラとは、境界線がある訳でも無いし、向こうの政府は対策を練ってもいないみたいだから、結構危険かもね。」
フユキは淡々と話す。
フユキの言葉に着いていけなかった人も、危険、と聞いたとき息を飲んでいた。
「なんとか感染を防ぐ事は出来ないの?」
クラスの一人がフユキに聞いた。
それは、クラス全員の疑問でもあった。
「うーん、まずはこの街に外部からの人間を入れないことだね。
あとは、みんなも必要以上の外出は避けるとか。」
「でも、それだけじゃ対策にはならないわ。」
「方法はないんだ。
仕方ないじゃないか。」
ミリーは、消極的な考えのフユキに怒っている。
僕も、ミリーの言い分は分かる。
けど、フユキの言っている事も一理あった。
「こら、席に着きなさい!」
そんな話をしていると、先生が入ってきた。
もう、授業開始なのか。
「良いですか、良く聞いてください。」
席に着いた皆の顔を、先生はじっくりと見ていく。
先生の口には、なにか重いものでも着いているのか。
そんな言いにくさを取り払って、先生は口を開いた。
「昨日のラジオでも合ったように、都市部では今、謎の感染症が流行っています。
そして、
その感染症は、今この街シハラにも向かっています。
今すぐに、帰宅してください。
そうしなければ、皆さんも感染して死んでしまいます。
良いですね?」
いつも、優しくのんびりとした口調だったはずの先生が、急に怖い事を言い出した。
病気の話を聞いたあと、教室全体を見回すと。
みんな、目に涙を浮かべて。
病気の恐怖に怖じ気づいていた。
