Curse of disease

「ただいま!」

久しぶりにこの言葉を言う気がする。
思えば、僕はこの2週間はずっと篭もりきりだった。

「おかえり、ポート」

「おかえりなさい、ポートくん。」

中にいたのは、食事の支度をしていたジャックとその手伝いをしていたベルだ。
「おかえり」と言われるこの感覚がなかなか、嬉しくなって僕はちょっとくすぐったくなった。

「ポート遅い! それに…何よあんた、泥だらけじゃない!?」

「あはは、久しぶりにミリー達とサッカーやって…。
でも、ちゃんと授業の復習とかはフユキに教えてもらったよ?」

僕は、鞄から学校のノートを取り出す。
フユキの説明や、公式などをメモしてある。 フユキの分かりやすい説明で二週間の半分の遅れはなんとか取り戻せた。

「まぁ、それはいい事だけど。
まずは、お風呂に入ってきなよ。 泥だらけじゃ、気持ち悪いだろうからね。」

ジャックは、大きなお鍋で何か美味しそうな料理を作っていた。 今日はどうやらクリームシチューらしい。
ベルが、僕の好物をジャックに流したんだろう。

だいたいみんな、カレーライスやハンバーグが好きと言うけど僕はクリームシチューが大好きだ。
特に母さんのクリームシチューは、絶品だった。 野菜が多かったけど…。

「さぁ、お風呂沸かすからさっさと入ってきなさい。 着替えは自分で用意する事!」

「…はぁーい、」

警察の用意してくれたところから、自分たちの家に戻った僕ら。
懐かしい我が家の木材の匂いは、母さんとの記憶を蘇らせた。

僕は自分の部屋に鞄を置いて、タンスから着替えを取り出す。
真っ直ぐ、お風呂場まで走って行った。