始めはタメ語を使うときは彼のほうが慣れずたじたじになっていたというのに今ではこうだ。



「せっかく近場の人って分かって俺もっと癒衣さんと話したいなーって思ってたのにさ」

「ま、まあ、…そう、で…だよね…」


「…俺とメッセージでやりとりしてる時の癒衣さんと違う。なんかあたふたしてる」

「あっ…ごめん」



相手が男の人だからなのか、変に緊張して文章で書いている時のように上手く言葉が出てこない。

「あ、えと…そう!これがほんとの私なの!」

「え〜」

彼の声色から納得いかないと言いたい感じが伝わってくる。

「と、年上をからかわない、です!」

「年上って言っても2つしか変わらないじゃん」



と、彼が笑いながら言ってきた。

彼に馬鹿にされているみたいで腹が立つと同時に、電話だとまともに話すことが出来ない自分に対して情けないと思った。

ましてや相手は年下。

普通は年上がこういう場面はリードするものだ。

「癒衣さん?さっきから言葉が変だけど…緊張してるの?」

「……っ!」


図星を突かれた。

一番突かれたくなかった部分なのに。


「あのさ…俺、メッセージ交換してる時から思ってたんだけど…」

「な、なんです…なに?」