偽り王子×イケメン嫌い女子


「うん!なんとなく。あれでしょ?だむだむダダダダぴょんしてバシュッでいんでしょ?」


「…………ハイ?
ちょっちょっと待って何今の。さっきので分かる人がこの世にいるの?」


あれー?分かんなかったのかなー?
かなりうまく言えたと思ってたんだけどなぁ……


「うん、私もなんとなくしか分かんないわー」


「いやいや、つばき。あれでなんとなくでも分かるんだったらすごいって!さすがだねー」


「うん、慣れって恐ろしいよね………
あ、かんなの番だよ」


微妙にけなされたと思うのはあたしの気のせいだろうか……?

そんなことを思いながらドリブルをはじめた。


えーと確かこのあたりで右足で踏みきってシュート、っと!


放ったボールが弧をえがく


ガンッカラララララバシュッ


………うっわ、あぶな~

そう、あたしのシュートはリングに一回当たり、そのリングを一周してなんとか入ったという感じだった。


「ギリギリセーフ!」


「かんなナイッシュー!!」


絵莉が誉めてくれた

でもそれとは反対に舌打ちの音もなぜか聞こえた


「あ~、おっしいぃ!何であそこで入っちゃうのかなー、もう!」


こんな失礼なこと言うのは一人しかいない


「つぅーばぁーきぃー!!!入ったんだから素直に誉めることぐらいできないのぉ?!」


「えー?何言ってんの~?運動神経抜群なやつが運動で失敗するのが楽しいんじゃない。わかってないなぁー」