偽り王子×イケメン嫌い女子


風の吹く感覚が心地良い。

まだ風を感じていたかったがもうすぐそこにゴールが見えた。

あたしは名残惜しみながらも100㍍を走り終えた。


「ふぅー……タイムどー?」


・・・シーン

え?何でか陸上部の子がストップウォッチを見て固まっている。

あーこれはこれでおもしろいかおしてるかもー。


「ちょっ……ほんとに速いんだね……
知らなかったよ……これは帰宅部にしておくのもったいないね」


あたしがのんきに顔を観察していると
そんなことを言ってきた。


「んー?なーにー?ほめてくれてるのー?」


「あたりまえ!11秒07だよっ?!
陸上部でもいいタイムの方だよ!」


「わーすごいねー」

ズコー

「い、いやいやかんなちゃん?」


「おーい!もういーいー?」


二人でワイワイやってるとあちらの二人から言われた。


「あっごめんごめん、いーよーオッケーでーす!」


そう叫んでからかんなちゃん悪いけどよーいの合図してもらっていーかな?と付け足してきた。

あたしはりょーかいをだしてあちら側に手を挙げた。


「位置についてー、よーい……どんっ」


ダダダッ
あたしの声と同時に次の子が出発した。


「11秒86!」


「うわーぉ、ってうちリレー走ったことないから速いのか遅いのか分かんないんだけど……」


「11秒台は速い方だよ!すごいね!」


「あっありがとう。じゃあーうちはまだ速い方なんだね、よかったー」


「じゃ次つばきちゃんだね、かんなちゃんお願い」


そう言われてつばきのほうに手を挙げる。同様につばきもあげてくれた。