偽り王子×イケメン嫌い女子


先生と委員長がぐだぐだと説明をしているなか、あたしはあることが耳から離れなかった。

男女混合の学年対抗………

ガタッ

あたしは立ち上がった。


「あたし、最終日の球技種目のバスケに入ります」


バスケにしたら絶対あいつと戦える、そう思ったからだ。


「えーっと田中さん?部活には……」


「あたし帰宅部」


「そうですか、バスケは得意なんですか?」


「体育以外でしたことないけど大丈夫」


「えーっと……それじゃあちょっと…」


「えーー!!!
いいじゃん、かんなバスケで。
かんながいたら大分有利になるし!」


そう声をあげたのは同中でバスケ部の岡崎絵莉だ。


「いーいんちょー、かんなはどこに入れても大丈夫だと思うよー?
見かけによらず運動神経だけはピカ一だからさー。それにあの田中亮平の妹だよー?バスケでいーんじゃない?」

絵莉に合わせてそう言ったのはつばきだ。
亮兄はあんまり関係ないと思うけど、バスケになれるんだったらこの際どうでもいい。