「フッおもしれぇ、俺にこんなこと言ってくる女は初めてだ。
ちょうど退屈してたしな、田中かんな、プライドにかけてお前を……」
そして一呼吸おいたあとに
「俺に惚れさせてやるよ」
とにやつきながらそう言った。
例えるならそう――………
高貴の悪魔─────………‥
そしてどんどんこっちへ近づいてきてグイッと顔を寄せられたと思ったら
「んんっ……!」
唇に変な感触と目の前にはどアップの瀬戸翔馬の顔
キスをされたと理解するのにそう時間はかからなかった。
「っっ!やめて!!
っ…………あんたなにして……!」
「ん、ごちそーさん。これは俺からの宣戦布告だ。今から覚悟しろよ?
かーんーなーちゃんっ。」
唇をペロリとなめながらそう言いあいつは教室を出ていった。
「な、な、なっ………!!
ふざけんなぁぁぁぁぁ!!!」
一人っきりの部屋にあたしの叫びだけが虚しく響く。
どうやらあたしはとんでもない悪魔に目をつけられてしまったようだ………