偽り王子×イケメン嫌い女子


あたしはこいつの手を無理矢理はらった。

後ろにはポッカーンとしている瀬戸翔馬がいる。

あーー、やっちゃったなーあたし。
まぁいっかー、大分スッキリしたし!


あたしは教室に向かって歩きだした。


「あっかんな!よかった、まだいた~。戻ってきてよ。会わせたい人がいるんだって!」


するとつばきが息をきらして言ってきた。


「えぇー!またあそこ行くのぉ?!
めんどくさいじゃんかよっ」


「当たり前でしょーが、じゃなきゃ今日あんたを連れてきた意味なくなるでしょ。
それに亮ちゃんからの頼みでもあるし!」


亮兄ねぇー……
何か嫌な予感しかしないんだけど。


「わかったよ、もう」


断ったところでどうせ強制連行されるんだろーしね。


「おー、かんなにしては物分かりいーじゃん」


「一言余計なんだよ。じゃーさっさと行こうよ」


「うんっ」


こうしてあたしとつばきは再び体育館へと戻って行った。