毎日会えない。
そんな寂しさばかりだから。
「…うん」
あたしも…。
なんて言っちゃいけない。
あたしが振ったんだから。
『ユカリに会いに行ってもいい?』
「…うん」
あたしは地図を見ながら、歩く。
視界が滲んでいく……。
『また電話していい?』
「うん。待ってる」
『ユカリ、俺ユカリに会ったらまた告白する。だから待ってて』
「…きっと待ってる」
小さい声で聞こえたかはわからない。
でもナチの喜びから聞こえてるんだろう。
『バイト貯めて行くから』
「っ……う、ん」
あたしは景色が揺らぐ中歩く。
あれ?
頭痛い。
『ユカリ……?』
あたしは耳からスマホを遠退ける。
