「おい!!女!!!」

「女じゃねぇー!!!宮崎 雪菜だッ!!!」


少し気圧(けお)されて俺様系はボソッと呟いた。


「…バ…ト………チ…」

「何?バトチ?」

「バルト・カーチェスだ!!
ユキナか…気に入ったぞ、お前。」

「いや、別に気に入られたくないわ。
面倒そうだし。」

「遠慮すんな。つまんねぇー学園生活が面白くなりそうだ。じゃーな。」


私の肩をポンポンと叩いて、歳月の居る売店へ行ってしまった。


なんか……すこぶる面倒な奴に気に入られてしまったな。


出会いは最悪だったが…。


アーサーに視線を戻す。


なんか此奴顔赤くないか?

おいおい嘘だろ…。



「おい、アーサー。変な気起こすなよ。」


アーサーの拳が頭にHITした。


「っ~~~~~~~~」

「起こしてねぇーよ。唯………」

「唯?」


痛む頭を押さえつつアーサーを見た。


「あの吸血鬼より俺を選んでくれた事が……其の…」


私から視線を外すアーサー。


「嬉しかった。」

「………デレた。」


「うるせぇッ!!」


口調荒いくせに其の手はちゃっかり私の手を握っていた。




クソォ~……………調子狂う…。