俺はその日、そのまま家に帰ることにした。

もう今日はサボろう。

どちらにしても教室に帰ったところでアイツがいる。

気まずいな。

「…」

今日は天気がいい。

雲ひとつない。

青い。

そういやアイツあんなこと、言ってたな。


『本田君ってなんかー、海に似てるね!!』

『はぁ??どこがだよ』

『んとねー、うるさいところとか!!』

『はっ、どっちもうるさくねーし』

『でも綺麗じゃん、海。私海大好きだよ??』

『…あーそー』

俺が海…

それは未だに良く分からない。

海っつたら塩っぱいとか青いとかだろ。

なんだようるさいって。

いやまぁ、確かに海はうるさいけど。

けど、綺麗って…

俺綺麗じゃねーしな。

なんだろ。

海って。

どう言う意味だろ。

んで悠大はあれだろ??

「基羅君!!」

「…」

突然後ろから呼び止められた。

なんだよ、また知らねー女子か。

「なんすか」

「あの、」

てか今まだ、授業中ですよね。

なんでいんだよ。

「はい??」

「わ、私、花野マミと言います。あの、会って早々あれなんですが、好きです!!付き合ってくださいっ」



「は」

本当会って早々だな。

そんな奴、

「断る」

に、決まってんだろ。

俺はユータンして足を進める。

けど、今度はその女が走って俺の目の前に来る。

「お願いします」

だからなんなんだよ。

「…邪魔なんだけど」

俺早く帰りてー

「じゃあもう知らないよ??」

一気にそいつの表情が変わったのが分った。