「オッケー、オッケー。じゃあ、改めて自己紹介でもしようかな」
「やっぱいい」
絶対、めんどくさいことになる。
「えー」
「自己紹介はいいから。目的だけ教えて」
「目的?」
「そう。ここに来た目的」
どうして、こんな島に来たのか。
こんな、誰も寄り付こうとしない島なんかに。
「いやー。話してもいいんだけど。ちょっと長くなっちゃうよ?」
「無理。短く」
「もー。せっかちだなー」
「うるさい。早く言え」
「わかったわかった。じゃあズバッと言っちゃうね」
すっと、右手を差し出される。
…?
何だろうと思って、顔を見上げる。
リオは、微笑んでいた。
右手を差し出したまま、私に一歩近づく。
そして、笑みを浮かべながら、私の目をしっかりと見て、こう言った。
「おれと一緒に、王を殺しに行こう」
