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「で、どうすんの?」


「え?どうって?」


「だからさ、どうやって殺すのよ」



バルディア国王のことは、簡単には殺せないはずだ。

王族は、生まれながらに特別な力を持っている。
どんな力かは、よくわからないけれど。

そして、王に即位すると、その力はさらに強くなるのだそうだ。

王が代々譲り受けるネックレスには、強力な魔力が込められていて、身につけている者の力を強くするらしい。



「だってさ、簡単には殺せないでしょ?」



「簡単だよ」



…即答。
何この自信。




「だってさ、こっちには…」

リオがニヤッと笑う。



「リディアがいるんだから」






…え?私?





「破壊の力があれば、楽勝でしょ」





…破壊の…力?


「何それ」


「え?」


「だからその『破壊の力』って何なのよ」


「…マジかよ」


リオが、ポカンと口を開けて、すごい間抜けな顔をする。


「もしかして、リディア、自分が何者なのか知らないの?」


何者って…


「フラム族のただの生き残りだけど」


「違うから!」

私の両肩に手をかけて、激しく揺さぶる。

「リディアは破壊の力の持ち主だ!
特別な力を持ってるんだよ!」