【短】溺愛ショコラ




午前10時。

私はドキドキとうるさい心臓を抱えて、会議室4で今から来るであろう方を待っていた。

うー…怖いなぁ。

どうか少しでも長く工藤先生の担当を続けられるようにと願っていると、会議室4の扉が開いた。


――パタンッ


入ってきた人物に失礼にならないように俊敏に立ち上がる。


「はっ、初めまして!本日付で工藤先生の担当をさせていただきます、宮野茉子と申します…!」


テーブルの上に用意しておいた自分の名刺を、目の前の人物に差し出すと、スッとそれを受け取ったその人はおもむろに口を開いた。


『初めまして。ワタシ、工藤 漣よ。よろしくね?』

「はっ、はい…!よろしくお願いします!」


顔出しNGという工藤先生は、私が見たこともないほどの美男子だった。

彼を見て惚れない人はいないと思うほどに。

笑った顔なんて、それを見た人をキュン死にさせてしまう威力を持つほど。


――ん?ワタシ…?


白のYシャツにジーンズというラフな格好とは裏腹に妙に受け取りがたい口調に、私は不信感を募らせる。

そんな私を気にもしていないのか、工藤先生は目の前の椅子に優雅に座った。