――「え?私がですかっ!?」
新年度が始まって1ヶ月。
出勤早々、編集長に呼ばれてデスクに向かったら、担当編集者の変更の旨を伝えられた。
「そんな…!木下先生の新作の件もまだ始動したばかりなのに…っ!?」
つい一昨日、自身の体験から基づいたエッセイの原稿を頂いて、新作のプロットまでわが社に挙げてくれると言ってくれた木下先生の担当から外れるなんて、納得できない。
私が気に入らないってこと?
『木下先生にはこちらから伝えておいた。代わりは進藤が木下先生の担当になる。』
「……っ、」
進藤さんは、私の1年先輩で成績もトップクラスのデキる人。
つい新年度に入った一か月前から、ベストセラー作家の工藤先生の担当に就任したばかりなのに。
「…私は雑用ですか、」
『いや…、お前には新しく担当についてもらう。』
「?…どなたですか?」
この区切りの悪い月に担当替えなんて、滅多にない。
今のシーズンは新人作家さんの選考もしないし…、一体私の担当作家さんは誰なのだろう?

