『知ってる。』
「……っ」
艶やかに微笑む目の前の先生に、私の正直な胸の鼓動は一段と高く高鳴る。
『でも、そんな俺に惹かれてるくせに。』
「~~~っ///」
何の飾りもない、ストレートすぎる言葉に、私は顔を赤くして息を詰まらせるしかない。
どうやったって、私が彼に勝つことはできないのだから。
先生と出会った日から、端正な笑顔を浮かべた先生はビジネスオネェのお面をかぶって、守備力0な無防備な私を少しずつ懐柔していった。
「っ……いつもいつも、締め切りギリギリにしか原稿を上げてくれない先生なんて、キライです。」
『うん。でも俺は、締め切りに追われる俺の身の回りの世話を、一つの文句も言わずやってくれる茉子が好きだよ。』
最後の抵抗、とでもいうように、私は今まで心に溜めていた先生への鬱憤を吐き出していく。
ムスッとして涙目の私とは対照的に、先生はとても笑顔だ。

