『あー…知らなかった?俺、ビジネスオネェなの。』

「………は?」


突然のカミングアウトに、私は驚愕を隠せない。

びっ、ビジネスオネェ…って!

え、じゃぁ何?先生と初めて会った時の、私の驚きと、軽蔑してはならないと、普通に接さなきゃとかいう私の心の葛藤等諸々、全部要らなかったってこと!?


「なっ、何ですかソレ!何で言ってくれなかったんですか!!」

『おー。めっちゃ怒ってるな。』

「そりゃ、怒りますよっ!」


有り得ない!酷い!最悪!最低!

先生に言いたいことは色々あるけれど、これ以上先生の前で失態を曝すわけにはいかない。


「…って、ビジネスオネェってことは…?」


ふと、冷静な頭で思ったこと。

オネェじゃないってことは、先生は正真正銘、外身も中身も男ってことで。

当然、恋愛対象も――…っ、


『――茉子。』

「っ…んっ」


降ってきたキスに、私の胸は一段と高く鳴り響いた。