半泣き状態の私。
ここまで来たら、私を煮るなり焼くなり、先生の好きにしてほしいと思った。
それで先生の機嫌が直ってくれるのなら。
「な、何でもしますから許してください…っ」
『へぇー…何でも?』
ブラックオーラを身にまとったままの先生にビビりつつ、私はコクコクッと頷いた。
見上げた先生の瞳の奥に光る何かに、私の本能が危険信号を発し始める。
あれ、私…何か間違った?
『じゃ、俺が何でこんなムカついてるのか当ててみ?』
「……え?」
先生の要求を、もっと酷いものだと思っていただけに、実際の先生の要求に拍子抜けしてしまった。
思っていたよりもクリアできそうな申し出に、私はホッとする。
「えっ、と……私が失礼なことを言ってしまったから…ですよね?」
『違うな。』
「えっ!?」
コレだと思っていただけに、焦る。
私の大きな失態は、尊敬すべき大先生に様々な侮辱をしたということなのだから。

