【短】溺愛ショコラ




半泣き状態の私。

ここまで来たら、私を煮るなり焼くなり、先生の好きにしてほしいと思った。

それで先生の機嫌が直ってくれるのなら。


「な、何でもしますから許してください…っ」

『へぇー…何でも?』


ブラックオーラを身にまとったままの先生にビビりつつ、私はコクコクッと頷いた。

見上げた先生の瞳の奥に光る何かに、私の本能が危険信号を発し始める。

あれ、私…何か間違った?


『じゃ、俺が何でこんなムカついてるのか当ててみ?』

「……え?」


先生の要求を、もっと酷いものだと思っていただけに、実際の先生の要求に拍子抜けしてしまった。

思っていたよりもクリアできそうな申し出に、私はホッとする。


「えっ、と……私が失礼なことを言ってしまったから…ですよね?」

『違うな。』

「えっ!?」


コレだと思っていただけに、焦る。

私の大きな失態は、尊敬すべき大先生に様々な侮辱をしたということなのだから。