【短】溺愛ショコラ





『してる。』

「なっ…!?」


ネタは上がっているって言うのに、ここまできてシラを切り通すつもりの先生に、私は驚愕する。

白々しいにも、ほどがある。


「勘違いなんてしてないです!」

『いや、してるね。』

「だからっ―――んッ!?」


縮まっていた距離が、さらに縮まった瞬間に、唇に押し当てられた温かいモノ。

真っ白な頭でも、それが何か理解してしまった私は、先生の胸板をドンドンと力いっぱい叩いた。

先生とキスなんて――受け入れたくない事実だ。


「んっ…んんーっ」


私の抵抗は、男である先生には全く刃が立たず、頭の真後ろに先生の大きな手が当てられて、唇を離すこともできない。

キスの仕方も下手な私が、酸素を求めて口を開けると、待ってましたと言わんばかりに先生の熱い舌が口内に入ってきた。

こんな上手すぎるキス――知らない。