愛side


始業合図のチャイムがなった。

それと同時に、
南くんも教室に入ってくる。

「南くん、女子に捕まってたのかな?」

麻里が言った。

「ありえなくもないかもね。」

「おーい、始めるぞ~。
 前向け~」

先生の声に麻里は、
ちぇ~っと言わんばかりに、
教卓の方に向き直る。

ふふっと思わず笑ってしまうほど、
その顔は幼く、可愛らしい。