海の花公園 -2人の場所-




愛 side




「進路希望調査...」



ホームルームで配られた紙には
そう書かれていた。


「先週言ったとおり第三希望まで書け〜。
ちゃんと決めてきただろうけど、
万が一のためにパソコン室に
集めてやった。
この時間の最後に集めるからな〜。」


先生の声が響きわたる。


そっか、もう2年生の半ばなんだね...


前軽く調査はあったけど、
本格的に決める時期になったんだ...


とりあえず、
ちゃんと先週の土曜日に
おばあちゃん達と話してきた
3つを書く。


私は今の家から通える専門学校に
進学したいって考えてるから
奨学金で賄おうと思ってる。


本当は就職の方が
いいに決まってるだろうけれど、
昔から私を見てきたおばあちゃん達が
進学を勧めてくれた。


「あーいっ!書いた?」


「あ、麻里。うん、書いたよ〜」


どれどれというふうに
私の用紙をのぞき込む。


「やっぱりそうしたんだね〜っ!
私もそのまま短大にした!
出しに行こっ!」


とりあえず先生に提出すると、
奥の方に固まってる男子3人に
目がいった。


多分集まってきたんだと思う
2人は必死にパソコンを見ていて
もう1人はその様子を見て
穏やかに笑っていた。


「ねぇ、南くんはどこに行くの?」


麻里も同じ方向を見て私に聞く。


そういえば、何をするとか
将来について話したことないかも...。


「...わかんない。」


「そっかぁ、早めに聞いた方が
いいかもね!
悠ちゃんはそのままサッカーかも」


「へー!すごいね佐伯くん!」


「でもそうなったらしばらく
海外に行くかもしれないんだぁ。
短期留学みたいなさ…
まぁ、仕方ないけどね!」


そういった麻里は
やっぱり寂しそうな顔をする。


それはそうだよね...
仲良しだったもんね...


顔を上げると
ばっちりと彼と目が合った。


いつものように微笑んでくれる。


高校のうちは
学校で毎日会うことができる。
けど、もし卒業して離れてしまったら?

その前にそこまで
無事に続いているのかも分からない。


急に不安になった。


付き合う前からだけど
当たり前のように
今までは一人だった時間を
今は隼人くんが塗りつぶしてくれている。


たまに彼を見てると思うの。

私を1人にしないようにと
心の中で無意識に
思っているのかもしれないなって。


きっとそれに甘えすぎて
多分、知らず知らずの間に
依存してしまってるんだ…。


これからどんどん忙しくなるのに
それでどうするの…?


たくさんの気持ちが
何処からともなくでてくる。


ハッとした時には
どうした?と心配するように
私をみる隼人くんがいた。


急いでにこっと笑ってみせて
そのまま席に戻る。