海の花公園 -2人の場所-



愛 side



「...隼人だよ」


「えっ?」



これは、つまり...


「...彼のことは名前で呼んでた
あと翔のことも」


彼って千晶のことかな。
でも幼馴染みだし...。

あ、翔くんは...
なんでだろう...。


「あっ、それは...」


どうしよう。
心臓の音がうるさい。


「...」


...呼んでって事だよね?

改めてとなると...。


「...は、はや、と、くん」


私のぎこちなさに
くすっと笑った。


「だ、だめ、これすごく緊張するよ」


「じゃあ、少しづつ慣れてよ」


くすくす笑いながら言うから、
私も少し口元が緩む。


「...わかった」


ー私も呼んでもらいたいな...


「愛」


そう思った瞬間いきなり
耳元で囁かれて
胸がドクッと強く打たれたような
感覚がした。


「本当だ、ちょっと緊張するかもな。」


「い、いきなりでびっくりした...。
でも何だか嬉しいね……。」


顔を上げて微笑んでみると、
軽く腕が解かれる。

右手は私の腰に回したまま。

そして、左手はそっと顔に添えられた。


「...いい?」


余りにも熱っぽい表情に
体の温度はぐんぐん上がっていく。


「えっ?!あ、う、うん...。」


でも内心はパニック状態。

だってだってまだ慣れないし

いつもは不意打ちなんだもん!



「あはは、目閉じてよ
俺が恥ずかしい」


「あっ、は、はいっ」


ぎゅっと固く目を閉じた。


すると何秒もしないうちに
柔らかい感触が唇に落ちる。



ーわっ...


優しくて、甘くて。


体に入った力が抜けていった。


「んっ...」


何度も角度を変えて注がれる。


だんだん呼吸がしづらくなってきた。


どうしよう。
今度は力が入ら...


「おっと」


その時、がくっと体が
落ちそうになったのを
南くんに支えられた。


「ごめん、いきなり...
大丈夫?」


「...大、丈夫。
あまりにもその...」


「?」


「し、幸せで...」




あ、私またそんな大胆なことを...


ほら、南くんも返事が...


ちらっと見ると、
手で顔を隠してるように見える。


「...ちょっと、ごめん
今こっち見ないで」


「え、ごめんねっ変なこといって...」


こっち見ないでってやっぱり
引かれちゃったのかな...


「違う違う、これは俺の問題」


「南くんの問題?」


「そうそう、俺にしか
わからなくていい問題。」


「そっか...。」


私にはわからなくていい問題って
なんだろう...。


「それと、隼人だから。」


「あっ!そうだった...」



慣れるにはまだ時間がかかりそうです。