隼人 side
午前7:13
ベッドから出て、
リビングに降りると
テーブルの上には見慣れない
置き手紙と箱がおいてあった。
ー...なんだ?
『お誕生日おめでとう
母さんは今日も遅くなりそうです
1人にしてごめんね
私なりに選んだプレゼントです
よかったら使ってね』
ー...誕生日
カレンダーを見ると、
10月13日 (土) 。
あぁ、誕生日だったか。
傍に置いてあった小さな箱には
黒の腕時計が入っていた。
お礼を言おうと思って
携帯のロックを解く。
メッセージ:13件
上から翔、陸、父さん、正弥、
その他何人か、そして姉さん。
『HappyBirthday☆
今日家にご飯食べに来ない?
もう材料買ってるから〜♪
既読無視はだめですからね
ちゃんと返事するのよ〜
あ、出来れば愛ちゃん来ないかなぁ♪』
材料買ってるって
もう来いって言ってるものじゃ...。
そういえば、今日10:00に
日比野さんちに呼ばれてるんだった。
あれから何も聞かずに過してるけど
今までと何も変わらないし
いいかなと思う。
ーさ、何か飲もうかな
そのままキッチンへ向かった。
ーーーーーーーーーー
時間がたって10:00前。
今日比野さんちのチャイムを押すところ。
軽くボタンを押すと、
インターフォンで応答かと思いきや、
いきなりドアが開いた。
ー俺じゃなかったらどうするん...
「いらっしゃい!どうぞ上がって」
「あ、うん。ありがとう。」
にこにこしながら、
そういった彼女は何故かエプロン姿。
そして少し甘い匂いがする。
正直ドキッとしたけど
ここは内にしまって...
「...えっと、何でエプロンしてるの?」
「あっ、もう少しでわかると思う」
えへへと笑いながら、
リビングに俺を通す。
テーブルの上に置いてあったのは
デコレーションのこった
チョコレートケーキ。
それから
はいって渡された
少し大きめのラッピングされた袋。
「お誕生日おめでとう。
一言目は直接がいいなって思って
メッセージは送ってないんだけど
来てくれてありがとう。」
突然の事で言葉がなかなか出てこない。
「...あれ、俺言ってたっけ?」
「あ、たまたま聞いて...
ギリギリだったから
危ないところだったよ〜」
ーん?
「聞いた?」
「あ、うん。
南くん、チョコレートケーキが
好きなんだよね?」
「...うん、1番」
「こ、これどうかな?」
「すごい、売り物みたい...」
日比野さんの表情が
パアっと明るくなった。
「よかったぁ〜
それもちょっと見て欲しいな」
手元の袋を見る。
「開けてみて?」
リボンをとって袋から出てきたのは
小型のプラネタリウム。
「星が好きって聞いたの。」
「...うん。
1つプラネタリウム
欲しかったんだ。」
「本当に!やっぱ翔くんに
聞いてよかったよ〜」
ー...え
「翔?」
「そう、翔くん!
やっぱ好きな物をって思って
いろいろ相談してみたの!」
「それって、今週?」
「うん、たしか火曜日くらい」
ーなるほど・・・
やっとわかった。
肩の荷が降りたように、
はぁっと息をはく。
「そういうことか〜...」
「??」
「あはは、俺って本当に余裕ない」
「どういう...」
プレゼントをテーブルの上に置いて
そのままぎゅっと抱きしめる。
「わざわざありがとう。」
「わ、私も南くんに
喜んでもらえてよかった...」
南くん、か...
「...隼人だよ」
