愛 side



「つかれた…」


もうすぐ10月といっても
外はそこそこの暑さ。


時計の針は午前10:45を指してる


今ちょうど病院と
買い物から
帰ってきたところ。


ー大丈夫だと思ったのになぁ…


簡単にいうとこういうこと。

昨日から頭が痛くて、
朝起きたら熱が38.2℃あった。

いけるかなっと思って
家を出たけど途中で
くらくらしてきたから
その場で学校に連絡。
ついでに病院と買い物に行った。



季節の変わり目は
よく体調崩すんだよね。


とりあえず制服を脱いで、
ゆるっとしたTシャツと
ショートパンツに着替えた。



「あっつーい…」


体が熱くて熱くて。


部屋のクーラーをつけて
熱さまシートを貼って
そのままベッドに寝転ぶ。


ふぅっと一息はいて
目を閉じると
すぐに眠気が誘ってきた。



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「ん…」


窓から入り込む
西日が眩しい。


15:58


うわ〜、すごい寝ちゃった。




熱は…

ピピッと音が鳴った体温計には
38.6℃ と表示されている。


「…上がってるじゃん〜...」


明日も休まないといけないかなぁ
と思いながらずっと
放置していた携帯を見ると
何件かのメッセージが入っていた。


麻里と...

南くんから。



反射的に南くんとの
トーク画面を先に開いてしまう。

『大丈夫? AM8:42』


胸の奥がきゅーとする。

ー…私本当に重症かも


返事をしてから、
麻里のメッセージを見る。


『愛〜!大丈夫?!
今日お見舞い行っていい? AM9:46』


『ありがとう!
でもうつるかもしれないから
大丈夫だよ! PM3:59』


来て欲しいけど、
もしそうなったら大変だもんね...。


ーピコン


『うつらないうつらない!
ていうかもうすぐ着いちゃう★
PM 4:00』


「…ん?」


驚いてる暇もなく
呼び出し音がなった。


もう、麻里ったら...


でも来てくれて正直嬉しい。


「はい」


『あ!愛〜!わたしだよ〜!』


「はい、待ってるね〜」



しばらくしてチャイムがなる。
ドアを開けると
にっこり笑った麻里がいた。


「やっほ〜!具合どう?
って顔赤いよ、愛!」


「もう、いきなりすぎるよ〜。
でも来てくれてありがとう。」


「いえいえ、残念だけど
わたしもう帰るんだ〜。
代わりにほらっ!」


「?

...?!」


麻里がにっこりしてた理由。

それは...


「南くん連れてきたから★」