隼人side



高校初めての夏は
充実したといえると思う。


いろんな事があった
夏休みも終わって、
今はもう9月下旬。


もうすぐ彼女と付き合い初めて
2ヶ月が経とうとしている。


翔には8月に会ったとき
正弥と陸は学校が始まってから
ちゃんと教えていた。


3人の反応といえば、
言うまでもないかな。


周りにもだいぶ噂がたったけれど
今は落ち着いてきて一安心。



俺はいつものように登校して
少し読みかけの本を読んでいた。


ちらっと時計に目をやると
始業3分前。


席替えをして少し離れた
彼女の席を見るけど、
まだ来ていない。


ーあれ、遅いな…



寝坊?

いやいや、
朝から普通にメッセージ来てたし。


ぼーっと考えていると、
本鈴がなる。

担任がいつものようにHRを始めた。


「えー、あ、日比野は
発熱ということで 欠席だそうだ。
他はー、特にないな。
じゃあ、1時間目 移動だから
遅れないように。
以上。」



ーえ。


何、発熱?

聞いてない。


だってさっきは
そんなこと1ミリも…



携帯を確認する。

ー未読メッセージ2件



『授業入れ替えか!
ありがとう! AM7:58 』


『あ、ごめん
やっぱり今日は休むね…汗
AM8:29』



来てた、始業すごくギリギリに。


それにやっぱりって何だ…。


昨日は日曜だったし
日比野さんが“来れない”って
言ったから会ってない。


なるほど、そう言う事か。


1人でに自問自答を繰り返して
とりあえずメッセージを送る。


『大丈夫?』


しばらく既読がつくのを待ったけど
具合が悪いならそうもいかない。


「隼人〜、遅れる〜」


少し遠くで正弥が呼ぶ。


「嫁が心配なんだよあいつ。」


陸がケラケラと笑いながら
言ってるのも聞こえた。



「…今行くー」




そう返事を返して席を立った。