海の花公園 -2人の場所-


愛side



自覚した次の日 麻里に
南くんが好きだということを
話した。


「え~~!
愛!本当なの!」



「ま、麻里...!声が大きいよ」


「あ、ごめん!
嬉しくてついっ!
愛、前はこんなこと
言わなかったから!!」

で!告わないの?!」


「え?!無理無理!
私が好きなだけだし...」


「なんでよ~!!
絶対いけるのに!
じゃあさりげなく
アピールしようよ!」


「?
アピール?」


「うん!ちょっとお化粧とか!
愛 上手でしょ!」


「お、お化粧?
まぁ好きではあるけど...
休みの日しかしないよ~」


「わたしもいつもしてるし、ね!
一緒にしよーーう!」



ーーーーーーーーーーーーーーー




そんなこんなで
その日から数日間、
マスカラとチークとリップだけの
軽いメイクをしているんだけど...


向かいの鏡で自分を見る。


効果は出ているのかな...



考えながらお手洗いを出ると、
茶髪でキリッと整った顔つきの
男の子と目が合った。

...どこかで見たことある?



「愛ちゃん?」



あれっ

まさか声をかけられるなんて
思ってもなかった。


「...はい、そうです」


「あ!俺4組の中谷 翔 です!
隼人の友達なんだけど
アイツ今教室にいるかな?
ちょっと用あって」


隼人 と聞いて思わずどきっとする。


あ、そっか
南くんとご飯を食べてる人だ。


「あ、う、うん!
多分いると思うよ!」


「あ!本当に!
悪いけど、
呼んでもらってもいい?」


「うん、わかっ「あれ、何してんの?」


後ろから声がした瞬間
心臓が飛びはねた。


「あー、隼人!
ちょうど良かった!
って何その大量のノート。」


ゆっくり、振り返ると
確かにたくさんのノートを持った
南くん。


「あぁ、担任から頼まれて
ちょっと職員室に。
それで、どうした?
何で日比野さんと?」


「 さっすが優等生。
いや、今日俺委員会らしくてさ、
放課後遅くなるから
一緒に帰れないって
いいに行こうと思って!
そしたら愛ちゃんいたから
ちょっと呼んできてって頼んじゃった!」


そう言って、
さっきの印象とは裏腹に
可愛らしく てへっ と笑った。


「あぁ、そういうこと。
ごめんね、日比野さん。
こいつすごい喋るでしょ。」


「...あっ、全然 大丈夫!
そんなことなかったよ!」


びっくりした~
まさか話を振られるとは...

ほっぺたが熱く感じる。



横では、
そんな私と南くんを交互に見て
中谷くんが何故か
嬉しそうにしていた。



「翔 何、にやけてんの?」


「何でもな~いっ
おっと、俺次移動だったわ
愛ちゃん さっきはありがと!
隼人のことよろしくね☆」


「え?
あ、どういたしまして!」


そう返すと一目散に行ってしまった。


私の返事が聞こえてたのかも
危ういけど...


それにしても南くんをよろしくって...


「ははは、翔って
いつもあぁなんだよ。
でもいい奴だから安心して。」


横で穏やかに南くんがそういった。

本当に仲がいいんだろうなぁ。


「うん、南くんの友達だもん。
そうだと思った。

...それより、それちょっと持つよ?」


それ というのは
南くんがずっと持ってる大量のノート。

クラス全員分はありそう。


「あ、これ?
いいよいいよ、このくらい。
教室までそんなに距離ないし。」


「で、でも...
手きつくない?」



「全然きつくないよ。
大丈夫、俺男だから。」


南くんは
そう いたずらっぽく笑った。



ぎゅっと胸が苦しくなる。




「さ、行こうか」


「...うん」



先に歩き出した彼の背中を見ていると
思わず手を伸ばしたくなった。


もしそうしたら
どんな反応するのかな...


ー今ならきっと届くのに。



でも私にはまだ
そんな勇気はなかった。