愛side
日が落ち始めた帰り道。
左手には四葉のクローバー。
さっきの事を思い出すと
カッと顔が熱くなってくる。
あんなに優しい笑顔を向けられた上に
手まで触れられたら
恥ずかしくてたまらないよ~。
それに加えて
胸がぎゅっと締め付けられるような
感覚が今も残っていて、
どうすればいいのかわからない。
ーどうしよう!
本気で考え始めたその時、
後ろから誰かに呼び止められた。
「愛ちゃーん!」
スラッとした女の人が
眩しい笑顔で私に手を振っている。
まるでモデルさん。
「あ、江梨子さん!」
「ふふっ、もう愛ちゃんったら
歩くの速いのね~
追いつくのに一苦労だわ~。」
顔に手を当て、微笑んでそういった
江梨子さんは買い物帰りなのか
大きめのカゴバッグを持っていた。
「よく言われます。」
同じように微笑んでそういうと
あら と江梨子さんが目を丸くした。
「久しぶりに会ったけど、愛ちゃん、
更に可愛くなったんじゃない?」
「えっ?」
「恋でもしてるのかしら?」
ニヤリとして私をのぞきこむ。
「こ、恋なんて、そんな!」
そう否定しながら
体温が上昇するのがわかった。
「あ、今日うちの旦那
出張でいないのよね~。
よかったらご飯食べていかない?
お話はその時にゆっくりしましょ」
男がいない方が話せることもあるもの
と付け加えながら ふふっと笑う。
江梨子さんの旦那さんも
私に優しく接してくれてとてもいい人。
だけど、今日の出来事を
話したいという気持ちがあるので
一理あるなと思った。
「では、お言葉に甘えて。」
「よし、そうこなくちゃね!
じゃあ行きましょうか。」
