「はぁ、ここ落ち着く」



ここは、教室から一番近い階段のところ。
下の段がくぼんでいて、あんまり人にみられない。


私は、持っていたあめが入っている瓶を開けて、
赤色のあめをなめた。




小さい頃からずっとあめ玉を持ち歩いていた。
お母さんが、カラフルなあめを瓶に入れて、
持っていなさいと言われた時から、ずっと。



「ん。おいしい」




赤のあめはイチゴ味。
大好きな味。



寂しくなった時に、食べると気持ちが落ち着く。
昔からだ。




この学校で、うまくやっていけるだろうか。



不安だな






「...見つけた」




「...え?」