『そーうたっ!遊ぼうっ!』


小さな女の子が、小さな俺の背中に抱きついた



『重いって、体重増えたんじゃね?』



『なっ!意地悪っ!』


彼女は、小さくてふわふわで、わたあめみたいな女の子だった。



いつもいつも、笑っていて…



泣いてるところなんて、見たことなかった。



けど……あの時



「……ねね、宮野ちゃん怒ってる?怒ってる?」


「……怒ってない」



「怒ってる!?」


あれ、今俺ぼっーとしてた?

二人の声で我に帰る俺…

確か、玲が先生に怒られて俺らも巻き添えにして残されてるんだっけ。



「もういいよ高野くん!早く部活行ってきな!茜もほら!今日体験でしょ?」



おいおい、なんてお人好しな奴だよ。
玲が原因なのに、玲は部活に行ってとか……





本当、お人好しだな。