彼女は……宮野さんは違かった。




薄い化粧に、自然体な声。



クリクリの目に、ある程度の丈のスカート、サラサラでツヤツヤな長い髪。




目の前を通ると、シャンプーの匂いがする。





彼女は自然体だ。




「……あれ。」




「どうしたの?颯太くん」




「………いや。」




誰が名前でいいと言ったのか。



すでに、周りの女子は俺のことを名前で呼んでいた。




と、そんなことはどうでもいい。
さっきまで隣の席にいた宮野がいない。


教室にもいなかった。



あぁ、俺の席に群がっている女子に気を遣って何処かへ行ったのか………


そう思った。