スプリング×ラブ!

校庭では、女子が陸上競技の真っ最中だった。春はあわてて駆けていって、走り幅跳びの列に加わる、が。

「山口ぃ!誤魔化そうたってダメだぞー」

体育の武本に、バッチリ見破られていた。

「あは、ば…バレました?」

春は友好的な、でもどこかひきつった笑みを浮かべてみるも、無駄。武本の前では無力なのだ、何人も。

「欠課にされたくなかったらこっち来てペナルティランニング行けー」

春はガックリと肩を下げ、夏香に悲しげに手を振った。夏香も苦笑混じりに手を振り返す。
女子はみんな、その様子をクスリと笑った。