ハコイリムスメ。

「………」
「じゃ、頼んだぞ」
店長はさっさと伝票整理(安全確保)に、店の奥へと引っ込んだ。

ちょっと待てコラバカ店長。

…なんだこの人数。

「ブ、ブランク明けにはきちーよ」



ざっと10人。
その10人が一組のカップルを取り囲んで何やらいちゃもんをつけてる。

彼氏くんはビビっちゃってるし、彼女は泣きそうだし。

「えー…」

こーゆーのはさぁ、他人が入ると彼氏の面目丸つぶれ…

「まぁいいか…」

葵の時のように、逃げられたらうぜぇー。



とりあえず、リーダー格に声をかけてみた。
こいつ一人潰せば、子分も逃げるだろ。

「おーい」
「あ?なんだてめぇ」

リーダー格は思い切り睨んでくる。また眉なしだ。
……つーかてめえときたか。

「名乗るほどのもんじゃないさ」
「はぁ?死にたくなかったら失せろ!」

殴りかかってきたリーダー格。

「…遅い」
「!?」

かわして腹に一発。

「な………!ゴホッ、ゴホゴホッ」
「もう終わり?」

サトの真似をしてふはっと笑うと、まゆなしの目の色が変わった。

「ざけんな………!」



あららー怒らせちゃった。