「葵ちゃん、行く?」

俺がさっきやったように、サトが腰を落として目線を合わせ、言う。

「どこに?」
「スーパー」
「お夕飯の材料、買いに行くんだ」

サトの言葉に補足。

葵はちょっと考えて、それから「うん」と頷いた。

うん、なかなかカワイイじゃん。

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、サトがふはって笑った。




バカにしてるだろって思ったから、バコンとエアコンのリモコンで頭を叩いてやった。

「ってぇ!!角でやったろ今!」
「なーんのことかしらねー。さー葵、行こうな」
「うん」
「待てって」



俺たちは3人連れだって、夕方の空気の中に出た。