葵にも他の人間と同じように、等しく笑う権利があると思うんだ。





「あ、やべ」

いつの間にか、7時近かった。

外は夕日に赤く染められていて、夏の湿気を帯びた風が、カーテンをまだ揺らしていた。



夕飯の買い物をするのを忘れてた俺は――葵が来てから、出来るだけバランスの良い食事を心がけていたから――、サトにも手伝ってもらうことにして、駅前のスーパーに出かけることにした。


「葵ちゃんどーすんの?」
「ん~……いつもは置いてくんだけど」
「いーじゃん、連れてくべ。リハビリ、リハビリ」

呑気に言うサト。

俺はどうだろうか、なんて考えてみる。

大丈夫かなぁ、人ごみ…。
まぁ、前に電車乗ったもんな。