走りながら、花田レイコに電話をかけた。
「あ、花田さん?今日、オフだって言ってたよな!」
『あ、谷神くん~、久しぶり~』
「今から超変装して、前のあのファミレス行って!そんで、学生服のやつと一緒に俺の家来てくれない?」
『え、冗談じゃなくって?』
「葵が、じゃねーや、つまり真央が、今日帰ってくるからさ」
『ホント!じゃあ駆けつけなくっちゃ』
「さんきゅ」
花田レイコはあの事件をきっかけに少しずつ清純派アイドルの仮面を脱ぎ棄てて、今は元気で明るい、スーパータレントになった。
彼女は強くしなやかで、そして眩しい。
以前よりも自然な彼女に、男女問わずファンが戻って行ったのは必然であり、言うまでもない。

