「ほら」
「ありがと!」
「サトも、ほらよ」
「さーんきゅ。じゃ、こっちやる」
「ん」
俺たちは青臭いことをしているだなんて軽口を叩きあって、笑った。
「お!ちとせ、サト、美佐!」
「あ、イチ」
「そつぎょーおめっとさんな!まあ頑張れよ、そんで、たまには顔見せにこいや」
「イチも元気でな」
「あたりめーだろ!」
イチは笑いながら廊下を歩いて行った。
「じゃあ、サト、美佐、先に俺の家行っといて」
「道に迷うとかそういうギャグはやめろよ」
「大丈夫だって」
俺は2人に背を向けて、もう一度走り出した。

