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卒業式が終わって、HRでのイチの話が終わって(相変わらず教師らしくない話だったけど、俺はそんなイチが結構好きだった)、全員で写真を撮ったりなんかして。
「あ、ちとせー、この後クラス会行くだろ?」
「ごめ、俺用事!同窓会開いてくれよ」
「まじかよ!ちとせいねーとはじまんねえよ」
「わりーわりー、1年半越しの約束なんだ」
俺の言葉にそいつは不思議そうに笑ってから、じゃあまたな!と言った。
何人ものダチが、またな、とか、じゃあな、とか、俺に声をかけてくれた。
「みんな、元気でやれよ!」
俺は教室に叫んでから、飛び出した。
後ろから、サトと美佐が追いかけていた。
「ちとせ、ちょっと待て!」
「ちーとーせー!」
俺が立ち止まって振り返ると、サトが俺に手を差し出してきた。
「え、何?」
「校章、とっかえようぜ、記念に」
「美佐に第二ボタンちょうだい!」
「はあ?後でいいだろ、そんなの!」
「だめー!学校でもらうのが美佐の夢だったんだからあ!それに、ちとせが校門出るまでの間に後輩の女の子とかにとられちゃう!」
「んなわけあるか!」
「ねーねー」
「第2はだめ。第3ならいいよ」
「えええー!!!」
「渡里、わがまま言ってんじゃねーよ」
サトに言われて、美佐は第3でいいよとふくれっ面で言った。

